武蔵高等学校中学校|デジタルパンフレット
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221991 東京医科歯科大学医学部医学科卒業1996 東京医科歯科大学大学院医学研究科修了 博士(医学)1997 基礎生物学研究所(大隅良典研究室)にてポスドク、助手など2004 東京都医学研究機構 東京都臨床医学総合研究所 室長2006 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 細胞生理学分野 教授2012 現職2021 紫綬褒章受章武蔵を卒業した先輩たちは、「独創的で柔軟な真のリーダー」として、さまざまな場所で世界をつなげ、活躍しています。東京大学大学院医学研究科・医学部 分子生物学分野 教授今、医学部出身の基礎研究者が少なくなっており、絶滅危惧種と揶揄されています。私はその一人です。医学部を卒業するとほとんどの人は医師になります。しかし、卒業後すぐに、あるいは数年間医師として勤務した後に基礎研究者になる人もいます。私の場合は後者です。せっかく医師免許を取ったのに、と思う人もいるかも知れません。でも、医学部というのは、人の生物学を学ぶのに最適なところなのです。なぜなら、病気のような異常な状態のことを知ることが、正常を理解する近道でもあるからです。是非研究をやってみたいという自分の思いも強く、大学卒後6 年目の30歳のときに完全に基礎研究者に転向しました。面白いと思った酵母のオートファジー(細胞内を分解する仕組みのひとつ)の研究を始めました。内科医から、いきなり酵母の研究者になったのです。オートファジーは当時全く未開の研究分野でしたが、自分でも予想もしなかったことが次々と見つかり、まさに興奮の連続の中で研究を続けてきました。恩師の大隅良典先生が2016年にノーベル賞を受賞されたのも感慨深いものがありました。私も授賞式に連れて行っていただき、その感動のお裾分けをいただきました。月並みですが、人生何が起こるかわかりません。研究に限りませんが、自分のライフワークのようなものは、最初から私たちの目の前には現れないのかも知れません。それが訪れたとき、それに気がつくアンテナと、それに飛びつく自由な発想があるとよいと思います。武蔵にはそれを育む土壌があると思います。型にはめずに自由な発想で水島 昇第59期 1985年卒世界をつなげて活躍する卒業生Graduat■ Intervie■

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