早稲田大学高等学院・早稲田大学高等学院中学部|デジタルパンフレット
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高等学院・高等学院中学部にご関心をお寄せいただき、ありがとうございます。学院での学校生活をどのように送り、いかに将来へつなげていくか、この学校案内をご覧いただき、考えるきっかけとしていただければ幸いです。私たちはいま、激しい変化の中を生きています。特に AI をはじめとする情報技術の進歩は目覚ましく、200 年後の歴史の教科書には「 2020〜 30 年にかけて歴史的に大きな転換期があった 」という記述があるかもしれません。私たちは、これから迎える大きな変化にどのように備えればよいのでしょうか。早稲田大学の創立期も、同じく社会が大きく変化した時期です。創立者の大隈さんは日本が近代化へ向けて何が必要か考え、激動の時代に備え大学という高等教育機関をつくりました。早稲田大学は、大隈さんの未来への洞察力から生まれた大学です。洞察力とは、真っ暗なほら穴の先に何があるのかを察する、見抜く力です。時代の先に何が起こるのか、私たちも次の時代を見据えて準備をしなくてはなりません。学校では国語、数学、英語のような教科を学びます。小学校 1 年生の時を思い出してみてください。初めて授業を受けた時、その授業が国語の授業だと、算数の授業だと認識して受けていたでしょうか。小学校以来、時間割に従って生活するようになり、教科毎の教科書を開いて授業を受け続けたからこそ、この内容は国語だと認識するようになり、概念と関連する知識を獲得できるようになったのです。小中高ではこの教科を多く学ぶことで、膨大な知識と技能を系統立てて身につけます。しかし、続く大学にはこうした教科はありません。大学では学問を学びます。学問とは独自の研究対象と方法論という見方をもった体系です。そしてそこでは、認知されていない世界を追究しようと挑戦を続ける必要があります。小中高と教科の勉強を積み重ねてきたからこそ、大学で学問を理解できるようになるのです。高等学院での勉強は教科だけでなく、早稲田大学へ向けて学問の勉強もはじまります。大学進学では教科による受験はありません。学院での生活は少し背伸びをしながら学問に触れ、大学の学部を見据えます。その過程で教養という特別な力を身につけることもできます。教養とは、教科の枠を越えた知の連鎖とさまざまな経験が結びつくことで得られる、人類だけが持つ知的な喜びともいえるでしょう。学院生には自由な時間がたっぷりあります。この時間を使って、自分にどれだけ知的な喜びを与えられるかが大切です。好きな本を片っ端から読む、気になる所へ出掛けてみる、留学するのもよいでしょう。さまざまな枠を越えて、いろいろな経験が自分を育てることにつながります。学院に入学したら何からはじめますか?学院には、自分を育てることが上手な人々がたくさんいます。学院はそうした人たちと切磋琢磨しながら、自立した大人へ自分を成長させる場であり続けます。自分の興味と関心がどのように教養と結びつき、どの学問と関わりがあるのか。そして、これからどんな時代を迎え、自分がその中でどのように社会と関わりをもつようになるのか。学院で自分を育てるために時間をたっぷり使い、洞察力を磨いてください。学院長 本木 弘悌自分を育てるために使う時間学院 長挨 拶03MESSAGE FROM THE PRINCIPAL

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