法政大学中学高等学校|デジタルパンフレット
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生徒S 鈴掛祭はクラス企画なども生徒だけで1から作りますが、それを鈴掛祭実行委員と生徒会が安全に運営するためのマニュアル作りなどをして支えます。それぞれの立場での「自主自律」を実践しているのだなと感じます。生徒O 私は中学2年生の時に林間学校の実行委員をしたのですが、やはり運営していく中で、ルールを1から見直すという経験をしました。過去のルールにとらわれず、自分達の代に合ったルールを考え、行事を引き継いでいくところに「自主自律」を感じます。生徒M 考え方の違う人と一つのルールを決めるのは難しいことです。先ほどのスマートフォンに関する校則改定も、スマートフォンを使いたい人ばかりでなく、使わなくてもいいという人もいて、先輩たちの代から引き継ぎ、10 年くらい話し合いが行われてきました。僕も最初はスマートフォンを使う必要はないと考えていましたが、多様な意見を聞くことで、考えが変わりました。今回、校則改定したことで、より効率的に部活やクラスの連絡がとれるいうことがわかりました。教員O なるほど。そもそもみなさんは、生徒会活動に特に積極的に取り組んでいる人たちですよね。本来なら誰かに任せてもいいものを自らやりたいと思った理由は何だったのでしょう?生徒T 私は、委員会活動をしていた当時、生徒会執行部の先輩が委員会をうまくリードするのを見て、自分も学校運営に中心となって携わりたいと思うようになりました。生徒U 僕は公立中で選挙管理委員を経験したことがきっかけで、高校では自分が執行部に立候補しようと思いました。ただ、最初は強い目的があったわけではありません。活動する中で、「学校生活をもっとよいものに変えよう」という生徒会執行部の思いが伝わり、自分自身のモチベーションも上がっていきました。教員I 「自主自律」は、実はしんどいものですよね。「指示待ち人間」という言葉もありますが、本来その方が楽です。みなさんのエネルギーは、本校でどのように育まれたと思いますか。生徒K 僕は生徒会執行部に入ったものの、最初は全校生徒の前に立って話すことが苦手で緊張しました。それを乗り越えた頃から、新しいことに挑戦することを楽しめるようになりました。生徒M 究極の「自主自律」はルールがない状態でしょう。でも、法政には校則があります。スマートフォンの校則改定でも論点になりましたが、無法地帯では自分の犯した問題は自分がかぶることになります。一方で、誰もが安心安全に学校生活を送ることも大切で、そのバランスをとれることが法政中高の「自主自律」だと思います。「自由=自主自律」ではないのですよね。教員I 生徒会執行部としての活動以外の場生徒T 私の場合、受験勉強に振り回されないことで、やりたいことを自分で見つける余裕がありました。時間がたくさんある中で進路に向き合うことで、「受験があるから勉強しよう」ではなく、「こういう自分になりたいかようになりました。より活発な学校生活が送れるようになり、生徒の「自主自律」を後押しする結果になったと思います。面ではどうですか?ら、こういう勉強をしよう」というモチベーションが生まれました。それが私のエネルギーの源になっていると思います。生徒M 6年間をフルに使えるため多くのことに挑戦ができます。そのため法政中高の生徒はフットワークが軽いですよね。それが「自主自律」につながっているのではないでしょうか。中3や高3でも部活をずっと続けられますし、学校行事にも高3まで中心となって参加できることも関係していると思います。生徒U 受験がないのは確かに大きく影響しています。中3の頃に感じた様な受験期のピリピリとした感じがなく、伸び伸びとした雰囲気の中で学校行事を6年間楽しめます。それだけに、成長する機会も多いのだと思います。生徒S 通常は受験勉強にとられる時間を、部活や習い事に集中したり、学習もより深く探究したりできるのはうれしいですよね。生徒K Sさんの言うように、好きなことに集中できますし、それ以外にも自分と向き合う時間が多いため、早い時期から自分は何がしたいのかを理解し、それに必要なことにチャンレンジする機会を多く得られるのも法政中高のよいところです。生徒O 付属だからこそ、縦のつながりが強く、高校生とも日常的に交流できることは魅力のひとつです。ただ、必ずしも法政高校や法政大学に進学しなくてもよいので、実は生徒にとって選択肢が多いことも「自主自律」を育む一因ではないでしょうか。生徒T 少人数の学校で生徒と先生の距離が近いので、ルールを決める時にもしっかり話し合いができます。このように対話できる環境も影響していると思います。教員O 法政中高は、導き手としての保護者や教員の影を、生徒の成長とともに少しずつ消していけるよう努めていますが、みなさんの話を聞いてそれがちゃんと機能しているということがよくわかりました。管理されなくても、自らを律し、率先して動けることが本校の生徒のよいところ。「自主自律」には失敗もつきものですが、失敗に対する寛容さもある校風なので、過ちを怖れずにチャレンジできるのでしょう。本校で育まれた「自主自律」の精神が、将来、社会を変えていく力となってくれれば教員としてもうれしいことです。SCHOOL GUIDE 2025 22 「自主自律」を実践できる エネルギーの源は?

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